Graves & Twisted Fateーミセス・ボローの誕生日ー

※こちらはお友達のかりぱくさんの誕生日に送ったものです。同性愛表現があるので苦手な方はお気をつけください。 階下から聞こえる食器の音と、食べ物の匂いで、Gravesは目を覚ました。ベッドの上でぐっと大きくのびをすると、全身に血がめぐるのを感じる。…

Yasuoー戦いの果てー

笹の葉がさわさわと音を鳴らす竹林に、立ちつくす男の姿があった。 男は髷を高く結い、動きやすい幅広の衣を履いていた。首元に布きれを巻き、特徴的な大きな肩当てと、籠手を身に着けている。 あたりにはむっとするような血の匂いがたちこめていた。その出…

Soraka-どうしてあなたはDraven-

「ちょ、ちょっと待って!」 私は思わず叫んでしまった。どうしてこんなに傷だらけになってまで戦い続けるんだろう。 目の前でひたすらに敵と殴り合うDravenを見ていると、こっちの胸まで苦しくなってくる。彼は自分の体のことなんて気にならないみたいに戦…

Sonaーあなたを送る歌ー

私が一番緊張するのは、舞台に立って目の前に並ぶお客さんを見る瞬間。 あわてて礼をするとペースが乱れてしまうから、自分でもゆっくりすぎないかと思うほどゆっくりと、深々と頭を下げる。頭をあげるときには、しっかりとした笑顔を客席に向ける。 息をゆ…

Caitlynー人生をかけた難事件ー

ほとんど電気の消えたPiltoverの警察署の中で、ぐったりと机に突っ伏して寝ている女の姿があった。彼女がかすかに身じろぎすると、積み上げられていた資料が崩れて頭の上に落ちる。 「う、んん……」 むっくりと起き上がってボサボサの髪をかき上げると、女は…

Vi―お見合い騒動―

「はぁ!? あたしに縁談!?」 Piltover中に響き渡るような大声を出されて、Caitlynは露骨に顔をしかめた。 「そうよ、ありがたく思いなさい。あなたのようなじゃじゃ馬に乗り手がつくことをね」 「ちょ、ちょ、ちょっと待てよ! なんであたしが!」 突然の…

Ashe―願いの先に―

「はぁ……」 Asheはズキズキする頭をおさえながら、椅子に肘をついた。 つい先ほどまで、彼女はAvarosanの各地の領主たちと会議を行っていた。激化するFrostguard族とWinter's Crow族からの攻撃に関する対策や、穀物の備蓄に関する議論は、朝から晩まで続いた…